台風や豪雨のあと、トランクルームに預けた荷物が心配になります。調べると「川の近くや窪地は避けましょう」という話ばかりで、浸かったときに誰が弁償するのか、自分が借りる物件が浸かる場所なのかは出てきません。
この記事では、各サービスの契約約款で水害がどう扱われているかを条文で確かめ、東京23区の全物件を国土交通省のハザードマップと突き合わせて、浸水想定区域にある物件を数えました(2026年9月10日時点)。
浸水したときに弁償するサービスはありません。当サイトが確認した約款は、部屋タイプ(ハローストレージ・加瀬)も宅配型(minikura・サマリーポケット)も、洪水・高潮・浸水を免責事由として明記しています。保険でも水災を対象と書いた社はありません。
だから借りる前に、その物件が浸かる場所かどうかを自分で確かめるしかありません。ハローストレージの東京23区262物件を国土交通省の洪水浸水想定区域と照合したところ、屋外コンテナは140件中120件(86%)が想定区域内で、足立区・江戸川区・葛飾区の屋外型は全部が区域内でした。
確かめ方は1つで、重ねるハザードマップに物件の住所を入れるだけです。浸水深3m以上の区分なら、高さ2.5m前後の屋外コンテナは天井まで水に浸かります。
確かめた4サービスは、浸水した荷物を弁償しない
最初に、いちばん知りたいところから。浸かったら誰が弁償するのか。各サービスの約款には、会社が責任を負わない事由が並んでいます。
| サービス | 免責に書かれている水害の語 | 条文 |
|---|---|---|
| ハローストレージ | 「地震、津波、風雨、高潮、落雷、大雪、火災」/「カビ、サビ、結露、漏水」 | 約款 第17条①・④ |
| 加瀬のレンタルボックス(屋内型) | 「火災・地震・風水害…洪水・津波・高潮・河川氾濫・土石流等を原因とする収納物の損傷、及びそれらによる浸水・漏水等による損害」 | 約款 第12条1項(2) |
| 加瀬のレンタルボックス(屋外型) | 「津波、高潮、洪水、河川氾濫、床下浸水、風雨、結露」を含む一切の損害につき責任を負わない | 約款 第7条1項① |
| minikura | 「地震、津波、高潮、大水または暴風雨」 | 保管規約 第33条 |
| サマリーポケット | 「地震、津波、高潮、大水または暴風雨」 | 利用規約 第43条 |
当サイトが確認した4サービスは、すべてが水害を免責しています。盗難のときは宅配型が免責に入れていませんでしたが、水害は宅配型も「高潮、大水」を免責に入れています。荷物を預かる契約でも、川が氾濫したときの責任は負わない、ということです。
盗難のときに誰が責任を負うかは、別記事で条文を並べています。

9サービスの補償は、どれも水災を対象と明記していない
会社の責任が無くても、保険が出るなら話は別です。補償の記事で各サービスの補償を公式で確かめた結論は、「9サービスとも、水災(台風・豪雨の浸水)を対象と明記していない」でした。
ハローストレージの補償の対象は火災・爆破・爆発・盗難の4つで、水災は入っていません。minikuraが寄託物に掛ける火災保険(保管規約第27条)の対象は、火災・落雷・破裂爆発・給排水設備の事故による漏水・作業の過失・ねずみ・盗難で、洪水はありません。上の階の水道管からの漏水は対象でも、川の氾濫は対象外です。
加瀬のレンタルボックスは、約款にサービスが掛ける損害保険が書いてあります。屋外型は「雨漏り等の偶発的事故」、屋内型は「火災および漏水等の偶発的事故」を補償する損害保険で、補償限度額は30万円です(屋外型 約款第6条8項・屋内型 第4条8項)。雨漏りは対象でも、洪水や河川の氾濫が含まれるとは条文からは読めません。
つまり、浸水した荷物は約款でも保険でも戻りません。残る判断材料は1つ、その物件が浸かる場所かどうかだけです。
補償の上限と対象は、サービスごとに別記事で並べています。

【実測】ハローストレージの屋外型は、浸水想定区域に集まる
ハローストレージの東京23区の全物件を、国土交通省の「重ねるハザードマップ」と突き合わせました。母集団は公式サイトマップの329件で、掲載中の262件が対象です。物件ページに埋め込まれた緯度経度を、洪水浸水想定区域(想定最大規模)の地図に当てて、その地点の浸水深の区分を読みました。
| 浸水深の区分 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 想定区域外 | 75件 | 29% |
| 0.5m未満 | 26件 | 10% |
| 0.5〜3.0m | 75件 | 29% |
| 3.0〜5.0m | 76件 | 29% |
| 5.0〜10.0m | 10件 | 4% |
262件のうち187件(71%)が浸水想定区域の中にあります。屋外型と屋内型で分けると、差がはっきりします。
| 種別 | 件数 | 想定区域内 | うち3m以上 |
|---|---|---|---|
| 屋外型(コンテナ) | 140件 | 120件(86%) | 66件(47%) |
| 屋内型 | 116件 | 62件(53%) | 16件(14%) |
屋外コンテナは140件中120件が想定区域内で、66件は浸水深3m以上の区分にあります。屋外型は土地の安い川沿いや低地に置かれやすく、その土地がそのまま浸水想定区域と重なっています。
足立・江戸川・葛飾の屋外型は、全部が浸水想定区域にある
区で分けると、答えはほとんど場所で決まっていました。
| 区 | 屋外型の件数 | 想定区域内 | うち3m以上 |
|---|---|---|---|
| 足立区 | 42件 | 42件(100%) | 22件 |
| 江戸川区 | 38件 | 38件(100%) | 22件 |
| 葛飾区 | 17件 | 17件(100%) | 12件 |
| 板橋区 | 11件 | 6件(55%) | 5件 |
| 練馬区 | 11件 | 2件(18%) | 0件 |
| 大田区 | 6件 | 5件(83%) | 1件 |
足立区・江戸川区・葛飾区の屋外型97件は、1件残らず想定区域内です。この3区で23区の屋外型140件の69%を占めます。荒川と江戸川に挟まれた低地で、ハザードマップの色が区の全域に付いているためです。一方で練馬区は11件のうち区域内が2件、北区と杉並区は0件でした。
同じ3区の屋外型は、地震の揺れやすさでも都の12分類でいちばん上の地盤にあります。約款の免責と合わせて別記事で数えています。

3m以上の区分では、コンテナは天井まで水に浸かる
区分の意味も押さえておきます。国土交通省の説明では、浸水深0.5mで床上浸水、3mで2階の床が浸かる目安です。屋外コンテナの高さは2.5m前後なので、3m以上の区分にあるコンテナは、想定最大規模の洪水で天井まで水に浸かります。屋外型140件のうち66件がこの区分です。
想定最大規模は「千年に一度」クラスの雨を前提にした区分で、毎年起きるものではありません。ただし起きても、確かめた4サービスの約款では弁償されないので、浸かったら困る物を長く置くなら、この区分は見ておく価値があります。
屋外型と屋内型の造りの違いは、別記事で整理しています。

屋内型は敷地が区域内でも、部屋の階で危険が変わる
屋内型は116件中62件(53%)が想定区域内でした。屋外型より少ないものの、半分は区域内です。
ただし屋内型の「区域内」は、建物の敷地の話です。実際に浸かるかどうかは部屋が何階にあるかで決まります。ハローストレージの物件ページは料金一覧に部屋ごとの階が出て、1階・2階で絞り込めます(当サイトが確認した屋内型の物件ページ)。2階以上の部屋を選べば、3m以上の区分でも浸かる可能性は下がります。1階の部屋しか無い物件もあるので、階で絞り込んでから申し込んでください。
湿気の面でも1階と2階以上では条件が違います。カビの記事でサービスごとの湿度の扱いを並べています。

夏の温度も屋内型と屋外型で大きく違います。各サービスが公開している温度と、中が何度になるかは別記事で並べています。

浸水の危険は、重ねるハザードマップで借りる前に分かる
確かめ方は難しくありません。国土交通省の「重ねるハザードマップ」に、物件の住所を入れるだけです。無料で、登録も要りません。当サイトの実測もこの地図を使っています。
ハローストレージは物件ページに所在地が出ます。キュラーズも店舗ページに住所があります。宅配型は倉庫の所在地が公開されていないので、この方法は使えません。
「洪水・内水」を選び、住所を入れると、その地点の浸水深の区分が色で出ます。区分は0.5m未満/0.5〜3m/3〜5m/5〜10m/10〜20m/20m以上です。
屋外コンテナは色がそのまま危険の目安です。3m以上なら天井まで浸かります。屋内型は色が付いていても2階以上なら条件が変わるので、階を確かめてください。
浸かる場所だと分かったら、預ける物のほうを選び直します。紙・布・電気製品のように水に弱い物は区域外の物件か屋内型の2階以上に置き、タイヤやアウトドア用品のように水で壊れにくい物なら、区域内の安い屋外型で割り切る、という分け方です。
宅配型は倉庫の場所が非公開で、水害の判断ができない
宅配型はどうか。minikuraとサマリーポケットは、荷物がどの倉庫に置かれるかを公開していません。約款は「高潮、大水」を免責しているので、浸かっても戻りません。水害の面では「分からない」と割り切ることになります。
宅配型が向くのは、盗難や補償の条件で選ぶときです。水害で選ぶなら、住所が分かる部屋タイプのほうが判断材料があります。宅配型2サービスの条件は比較記事にまとめています。

浸水に弱い物は、区域外の物件か屋内型の2階以上に置く
水害への備えは、物件の場所と、預ける物の組み合わせで決まります。
- 区域外の屋外型
-
北区・杉並区・練馬区のように区域外の物件がある区なら、屋外型でも水害の心配は小さくなります。ただし区域外は20件で、屋外型140件のうち少数です。
- 区域内の屋内型・2階以上
-
足立・江戸川・葛飾のように区の全域が区域内なら、屋内型の2階以上を選びます。階は物件ページの料金一覧に出るので、2階以上で絞り込みます。
- 区域内の屋外型
-
水に弱くない物(タイヤ・工具・アウトドア用品)に限って使います。紙や布や電気製品は置きません。
物件の住所で選べるのは、住所を公開している部屋タイプです。ハローストレージは物件ページに所在地と地図があり、そのまま重ねるハザードマップに入れられます。屋外型と屋内型の両方があるので、区域の色に合わせて選び分けられます。

ハローストレージの物件ページには所在地と地図が出ます。重ねるハザードマップに住所を入れてから、屋外型か屋内型の2階以上かを決めてください。
郵便番号を入れるだけで空室と月額が確認できます。WEB申込で初期費用が割引されます。
よくある質問
- トランクルームが浸水したら、荷物は弁償してもらえますか?
-
当サイトが確認した約款では、弁償されません。ハローストレージは約款第17条で「風雨、高潮」「結露、漏水」を、加瀬のレンタルボックスは「洪水・津波・高潮・河川氾濫」「浸水・漏水」を免責事由に挙げています。宅配型のminikuraとサマリーポケットも「高潮、大水」を免責しています(2026年9月10日確認)。
- 保険で水害の分は戻りませんか?
-
各サービスの補償を公式で確認した範囲では、水災を対象と明記したサービスはありません。ハローストレージの対象は火災・爆破・爆発・盗難、minikuraの火災保険は火災・落雷・破裂爆発・給排水設備の漏水・盗難などで、川の氾濫は入っていません。
- 自分が借りる物件が浸かる場所かどうかは、どう調べますか?
-
物件の住所を国土交通省の「重ねるハザードマップ」に入れ、「洪水・内水」を選ぶと、その地点の浸水深の区分が色で出ます。無料で登録も要りません。ハローストレージは物件ページに所在地が出るので、そのまま入れられます。
- 屋外コンテナはどのくらい浸水想定区域にありますか?
-
当サイトがハローストレージの東京23区262物件を照合したところ、屋外型140件のうち120件(86%)が洪水浸水想定区域の中にあり、66件は浸水深3m以上の区分でした。足立区・江戸川区・葛飾区の屋外型は全部が区域内です。
- 屋内型なら浸水の心配はありませんか?
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屋内型も116件中62件が想定区域内でした。ただし区域内かどうかは敷地の話で、実際に浸かるかは部屋の階で変わります。物件ページの料金一覧に部屋ごとの階が出るので、2階以上の部屋があるかを確かめてください。
- 宅配型なら水害の心配はありませんか?
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分かりません。minikuraもサマリーポケットも倉庫の所在地を公開していないため、浸水想定区域かどうかを調べる方法がありません。約款では「高潮、大水」が免責なので、浸かった場合に戻らない点は部屋タイプと同じです。
まとめ
浸水に備える方法は、補償を探すことではなく、浸かる場所を避けることです。
- 責任と補償
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当サイトが確認した約款は4サービスすべてが水害を免責し、保険でも水災を対象と明記したサービスはありません。浸かった荷物は戻りません。
- 実測
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ハローストレージ東京23区262件のうち187件が浸水想定区域内。屋外型は140件中120件で、足立・江戸川・葛飾の屋外型は全部が区域内。3m以上の区分は屋外型で66件。
- 調べ方
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重ねるハザードマップに物件の住所を入れる。屋外型は色を、屋内型は色と階を見る。
- 預け方
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水に弱い物は区域外の物件か屋内型の2階以上へ。区域内の屋外型はタイヤや工具のような水に強い物に限る。
本記事の条文は各サービスが公開している契約約款・利用規約から2026年9月10日に確認し、物件の照合は国土交通省 重ねるハザードマップの洪水浸水想定区域(想定最大規模)を同日に使いました。ハザードマップは更新され、物件も入れ替わるため、契約前に最新の内容をご確認ください。


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