「来月から3年間の海外赴任が決まった」 「1年間の留学に行きたいが、マンションを解約するか迷っている」
長期間日本を離れる際、最大の悩みは「今の部屋にある家具・家電(残置荷物)」の処遇です。 「帰国した時にまた使うから」と、誰も住まない部屋の家賃を払い続けるのは、資産形成の観点から見て最悪の選択です。
結論から言えば、1年以上の不在なら「賃貸は解約」し、「荷物は屋内型トランクルームに預ける」のが、最も経済的かつ安全な資産防衛策です。 この記事では、長期不在時に家財をカビから守る保管テクニックと、家賃と比較した際の圧倒的なコストメリットについて解説します。
海外赴任中に「部屋を借りっぱなし」にしてはいけない3つの理由
「面倒だからそのままにしておこう」という判断が、どれほど大きな損失を生むかを期間別にシミュレーションします。
コストが異常に高い(最大300万円の損失)
都内の単身用マンション(家賃10万円)を維持した場合と、トランクルーム(月1.5万円)を利用した場合の差額です。
- 1年間の留学の場合
- 家賃維持:約120万円
- トランクルーム:約20万円
- 節約額:約100万円
- 3年間の海外赴任の場合
- 家賃維持:約370万円(更新料込)
- トランクルーム:約60万円
- 節約額:約310万円
結論:1年でも100万、3年なら高級車が買える額が浮きます。 部屋を解約して荷物を預けるだけで、これだけの現金が手元に残ります。この資金を現地の生活費や、帰国後の新居の初期費用に充てる方が遥かに合理的です。
「空き家」のリスク管理
人が住んでいない部屋は空気が淀み、急速に劣化します。
- カビの発生: 換気が行われないため、畳や壁紙、クローゼット内の服がカビだらけになります。
- 防犯リスク: 郵便受けがチラシで溢れ、「長期不在」が外部にバレます。空き巣の格好の標的となります。
「実家に送る」のもNG
「実家の空き部屋に置かせてもらえばタダ」と考えがちですが、おすすめしません。
- 親への負担: 大量のダンボールや家具が届くことは、高齢の親にとって大きなストレスと迷惑になります。
- 保管環境の悪さ: 実家の物置は空調管理されていません。数年後に帰国して箱を開けたら、服も本もカビと虫食いで全滅していた、という事例が後を絶ちません。
長期不在時の保管場所!トランクルームが最適な理由
日本にいない間、あなたの代わりに家財を守ってくれるのは「屋内型トランクルーム」だけです。
24時間365日の「空調管理」
屋内型(ビルインタイプ)は、業務用空調で24時間「温度・湿度」が管理されています。 梅雨の時期も乾燥した冬も、一定の環境が保たれるため、木製家具の歪みや衣類のカビを物理的に防ぎます。これは無人の実家や賃貸アパートでは不可能です。
資産を守る「セキュリティ」
大手業者の屋内型施設は、入館セキュリティと防犯カメラで管理されています。 海外にいても、「荷物は安全な場所に守られている」という安心感は、精神的な安定に繋がります。
「エアトランク」などの配送サービス
渡航前の準備期間は多忙を極めます。レンタカーで荷物を運ぶ時間さえ惜しいはずです。 「エアトランク」のような配送付きトランクルームなら、業者が自宅まで集荷に来てくれるため、一歩も動かずに搬出が完了します。
【期間・量別】損しないためのサービス選び
「どれくらいの期間行くのか」「家具は捨てるのか」によって、選ぶべきサービスは2つに分かれます。
1年未満の短期(留学など)なら「サマリーポケット」
家具家電は処分(またはレンタル)し、服や本だけを残すパターンです。
- サービス: 宅配型収納(サマリーポケット等)
- メリット: ダンボール1箱330円〜。スマホで管理でき、帰国後の新居に直送できる。
- コスト: 年間数千円〜数万円で済みます。
1年以上の長期(赴任など)なら「キュラーズ」
愛着のある家具、大型家電、大量の荷物をまるごと残すパターンです。
- サービス: 屋内型トランクルーム(キュラーズ等)
- メリット: 湿度管理が徹底されており、数年単位の放置でも劣化しない。
- コスト: 月額1.5万〜2万円(広さによる)。家賃に比べれば激安です。
出国前にやるべき「保管準備」リスト
長期保管で失敗しないための、最低限のメンテナンスです。これを怠ると、帰国時に悲惨なことになります。
- 冷蔵庫・洗濯機の「水抜き」
- 電源を抜くだけでは不十分です。内部の水を完全に抜いて乾燥させないと、カビと腐敗臭で二度と使えなくなります。
- 防虫剤・除湿剤の投入
- 衣装ケースには「防虫剤(1年有効タイプ)」を。ダンボールには「シリカゲル(除湿剤)」を底に入れてください。
- 空気の通り道を作る
- 荷物を壁にぴったりつけず、少し隙間を開けてスノコを敷くことで、空気の循環を確保します。
まとめ:家は「解約」、荷物は「預ける」が正解
海外赴任や留学は、人生の大きな転機です。 古い生活(家賃)に縛られず、身軽になって海を渡ってください。
- 家具があるなら: 「キュラーズ」(屋内型・湿度管理)
- 小物だけなら: 「サマリーポケット」(宅配型)
浮いた数百万円の家賃分で、現地での経験や旅行を充実させましょう。帰国した時、大切な荷物は綺麗なままあなたを待っています。
海外赴任の荷物保管に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 住民票を抜いてもトランクルームは契約できますか?
可能です。 ただし、契約時の審査には「日本国内の緊急連絡先(実家など)」が必要になるケースがほとんどです。また、支払いは日本のクレジットカードか口座振替になるため、口座を維持しておく必要があります。渡航前に必ず契約を済ませてください。
Q2. トランクルームに預けられないものはありますか?
現金、有価証券、動植物、危険物は不可です。 また、食料品も腐敗や害虫の原因になるため禁止です。常温保存可能な缶詰であっても、数年単位の保管では破裂のリスクがあるため避けてください。
Q3. 帰国が決まったら、新居に配送してもらえますか?
提携の配送業者を利用可能です。 多くのトランクルーム会社は運送業者と提携しています。帰国日が決まったら、Webやメールで解約手続きと同時に配送(搬出)の手配を行えば、空港から新居に向かうタイミングに合わせて荷物を届けてもらうことも可能です。