保管場所

リフォーム中の荷物はどこに置く?4つの保管場所の費用とメリット・デメリットを徹底比較

リフォームや家の建て替えが決まった際、避けて通れないのが「大量の荷物をどこへ退避させるか」という問題です。

施工会社から「工事期間中は部屋を空にしてください」と言われたものの、家具や家電を一時的に置くスペースが自宅になく、途方に暮れていませんか?

選択肢は主に「引越し業者の預かりサービス」「トランクルーム」「実家・知人宅」「自宅の空き部屋」の4つがありますが、それぞれ費用も使い勝手も全く異なります。選択を間違えると、「預けた荷物が出せない」「保管料が予想以上に高額になった」「工事の粉塵で家具がザラザラになった」といったトラブルに発展します。

この記事では、リフォームの期間や荷物量に応じた「最適な保管場所」の選び方を、コストとリスクの観点からプロが解説します。これを読めば、あなたの状況に最適な避難先が見つかり、工事中のストレスを最小限に抑えられます。

1. リフォーム中の荷物保管場所:4つの選択肢と特徴比較

まずは、荷物の退避先として考えられる全選択肢をフラットに比較します。「安さ」だけで選ぶと痛い目を見ます。

① 引越し業者の「荷物預かりサービス」

引越しとセットで、引越し業者が提携する倉庫で荷物を保管してもらうサービスです。

  • メリット
    • 搬出・搬入をプロに丸投げできるため、体力的負担が最小です。
    • 「仮住まいへの引越し」と同時に行えるため、建替え(フルリフォーム)の際に効率的です。
  • デメリット
    • 「出し入れ不可」が基本です。一度預けると、工事完了まで一切取り出せません。
    • 保管料が割高になりがちで、特に繁忙期(3〜4月)は倉庫が満杯で断られるケースが多発します。

② トランクルーム(レンタル収納スペース)

自分で部屋(スペース)を契約して保管するサービスです。

  • メリット
    • 「24時間出し入れ自由」です。工事中に急に必要になった書類や服を取りに行けます。
    • 空調完備の屋内型を選べば、家具や家電の劣化も防げます。
  • デメリット
    • 荷運びを自分で行うか、レンタカーや赤帽などの手配が別途必要です。
    • 初期費用(事務手数料など)がかかる場合があります。

③ 実家・親戚・知人宅

空いている部屋を借りる方法です。

  • メリット
    • 保管料がタダ(謝礼程度)で済みます。
  • デメリット
    • 運搬の手間とコストはかかります。
    • 万が一搬入時に壁を傷つけたり、保管中に破損したりした場合、人間関係のトラブルになります。
    • 相手の生活スペースを圧迫するため、冷蔵庫やソファなどの大型家具は断られやすいです。

④ 自宅の空き部屋・ベランダ

工事しない部屋やベランダに詰め込む方法です。

  • メリット
    • 費用ゼロ、移動距離ゼロです。
  • デメリット
    • 【最大のリスク】 工事の「粉塵(細かいチリ)」はドアの隙間から侵入します。養生が甘いと、保管していたソファや布団が粉まみれになります。
    • 生活スペースが極端に狭くなり、工事期間中のQOL(生活の質)が著しく低下します。

2. 「引越し業者の預かり」vs「トランクルーム」どっちが得?

現実的な選択肢となるこの2つについて、シチュエーション別の損益分岐点を解説します。どちらを選ぶかは「工事中の生活スタイル」で決まります。

パターンA:引越し業者が有利なケース

  • 条件
    • 建替えや全面リフォームで、「仮住まい」へ引っ越す場合。
    • 工事期間中、預けた荷物(冬服、アルバム、普段使わない家電)を絶対に触らない・出さない場合。
  • 理由
    • 「今の家 → 仮住まい」へ移動するトラックに載せきれない分を、そのまま倉庫へ運んでもらうのが物流として最も効率が良いからです。手間をお金で買う選択肢です。

パターンB:トランクルームが有利なケース

  • 条件
    • 「住みながら」の部分リフォームを行う場合。
    • 工事が1ヶ月以上続き、季節の変わり目を跨ぐため服の入れ替えをしたい場合。
    • 貴重品や重要書類が含まれており、自分の管理下に置きたい場合。
  • 理由
    • 引越し業者の倉庫は「開かずの扉」ですが、トランクルームは「第2のクローゼット」として機能します。住みながらのリフォームでは、生活動線を確保するために「必要なモノをすぐに取り出せる」アクセスの良さが必須条件となります。

3. 失敗しない「広さ」の計算:家具・家電を入れる目安

リフォーム荷物は「ダンボール」だけでなく「大型家具(ソファ・冷蔵庫)」が含まれるのが特徴です。通常の感覚で選ぶと入り切らず、契約し直しになるリスクがあります。

1.5畳〜2.0畳(単身〜2人暮らしのリフォーム)

  • 入るもの: ダンボール20箱、シングルベッド(解体済み)、中型冷蔵庫、洗濯機、カラーボックス。
  • 目安: 6畳一間の荷物をまるごと退避させるレベルです。

3.0畳〜4.0畳(ファミリー・LDK全体のリフォーム)

  • 入るもの: 3人掛けソファ、ダイニングテーブル(足解体)、ダブルベッド、大型冷蔵庫、家族全員分の衣装ケース。
  • 目安: 2トントラック1台分の荷物量に相当します。

【注意点】家具は「積み重ね」ができない

ダンボールは天井まで積み上げられますが、ソファの上に冷蔵庫は置けませんし、洗濯機の上にタンスは置けません。 リフォーム荷物の保管では、床面積(広さ)に余裕を持たせるか、頑丈なメタルラックを持ち込んで立体的に収納する工夫が必須です。ギリギリのサイズで契約すると、搬入当日に「入らない」という絶望を味わいます。

4. トランクルームを利用する際の注意点とコストダウン術

もしトランクルームを選ぶ場合、リフォーム特有の落とし穴があります。これを知らないと無駄な出費が増えます。

短期利用の「解約予告」に注意

リフォームは工期が延びることがよくあります。「1ヶ月で終わる予定が、資材不足で2ヶ月になった」という場合、契約期間の延長や解約タイミングを柔軟に変更できるか確認が必要です。 逆に、早く終わりすぎて「解約予告(通常1ヶ月前)」に間に合わず、使っていない翌月分の家賃を払うリスクもあります。 「短期利用専用プラン」や「日割り計算」に対応した業者を選ぶのが鉄則です。

運搬手段の確保

引越し業者に「トランクルームまでの運搬」だけを頼むと、割高(数万円〜)になります。 コストを抑えるなら、「レンタカー(ハイエース)」を借りて友人と運ぶか、集荷に来てくれる「運送サービス付きのトランクルーム(宅配型など)」を検討すると、トータルコストを数万円削減できます。

5. まとめ:あなたのリフォームに最適な保管場所の決定基準

リフォームはただでさえ騒音や業者の出入りでストレスがかかるイベントです。せめて荷物の保管場所くらいは、ストレスのない環境を選びましょう。最終的な判断基準は以下の通りです。

  1. 仮住まいへ引越す人:
    • 荷物を一切出さない覚悟があるなら「引越し業者の預かり」が楽です。
  2. 住みながら工事する人:
    • 必要なモノをいつでも取り出せる「近隣のトランクルーム」が必須です。これが最もQOLを下げません。
  3. 少量・ダンボールのみの人:
    • 自分で運ぶのが面倒なら「宅配型収納」で送ってしまうのが最安・最短です。

リフォームの工期遅れや、急な荷物の出し入れに対応できる「柔軟性」を重視して、保管場所を確保してください。

リフォームの荷物保管に関するよくある質問(FAQ)

Q1. リフォーム荷物預かりの料金相場はいくらですか?

保管場所によって大きく異なります。

  • 引越し業者預かり: 5万円〜15万円(運搬費込み・高め)
  • トランクルーム: 1万円〜3万円/月(初期費用別・中)
  • 宅配型収納: 1箱400円〜/月(ダンボールのみなら最安) トータルコストを抑えるなら、自分で運んでトランクルームを利用するのが一般的です。

Q2. 家具や家電を預ける際、湿気やカビの心配はありませんか?

屋外コンテナや自宅の空き部屋での保管は、湿気によるカビや粉塵のリスクが高いです。家具や家電を劣化させたくない場合は、必ず「空調完備(エアコン付き)」の屋内型トランクルームを選んでください。引越し業者の倉庫は、空調がない常温倉庫の場合も多いため確認が必要です。

Q3. トランクルームは1ヶ月だけの短期利用もできますか?

可能です。ただし、多くの業者は「最低利用期間(3ヶ月以上)」を設けていたり、初期費用が高かったりするため、1ヶ月だけだと割高になることがあります。 「初期費用無料キャンペーン」を利用するか、「短期利用プラン」がある業者を選ぶのが賢い方法です。

Q4. 仏壇や位牌を預けることはできますか?

心情的な問題を除けば、物理的には可能です。ただし、多くのトランクルーム業者では「貴重品・美術品」と同様に、万が一の際の補償対象外となるケースがほとんどです。また、毎日お参りするために出入りするのは現実的ではないため、仏壇だけは自宅の工事しない部屋に移動させるか、親戚に預けることを推奨します。

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