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布団の保管方法と場所がない悩みを解決!自宅での収納術vs保管サービス比較

クローゼットや押し入れを開けた時、スペースの半分以上を占領している「布団」にうんざりしていませんか? 来客用の布団や季節外の冬用布団は、家の中で最も体積をとる邪魔な存在です。

自己流で圧縮袋に詰め込んだり、干した直後にしまったりすると、いざ使おうとしたら「カビ臭い」「羽毛が折れてペチャンコ」というトラブルに見舞われます。最悪の場合、数万円の布団を買い直す羽目になります。

この記事では、まず「自宅で布団を絶対にカビさせないプロの保管手順」を解説します。その上で、物理的に収納スペースが足りない方に向けた「外部保管サービス(クリーニング・宅配・トランクルーム)」の活用法を比較します。

プロが教える「自宅」での正しい布団保管方法【4ステップ】

「ただ干して袋に入れる」だけでは不十分です。クリーニングのプロが実践する、カビと劣化を防ぐ鉄則手順を紹介します。

手順①:収納前の「完全乾燥」と「放熱」

人は寝ている間にコップ1杯の汗をかきます。湿気を含んだまましまうのは厳禁です。

  • 天日干し: 晴れた日に片面2時間ずつ干す。
  • 【重要】放熱タイム: 取り込んだ直後の布団は熱を持っています。そのまま収納すると、温度差で「結露」が発生します。必ず室内で30分以上広げ、余熱を完全に取ってからしまってください。

手順②:ケースは「不織布」を選ぶ

購入時のビニール袋や、引越しのダンボールに入れるのはNGです。通気性がなく、湿気がこもります。 必ず通気性の良い「不織布(ふしょくふ)の布団ケース」に入れてください。100円ショップのものでも構いませんが、防虫剤を入れるポケット付きが推奨です。

手順③:防虫剤と除湿剤の配置

  • 防虫剤: 成分は「上から下」に広がります。布団の間に挟むか、ケースの一番上に置いてください。
  • 除湿剤: 湿気は空気の流れが悪い場所に溜まります。押し入れの「四隅(特に奥)」に置いてください。

手順④:収納場所は「上段」が鉄則

湿気は床付近に溜まる性質があります。

  • ベスト: 押し入れの「上段(天袋)」。
  • ベター: ラックの上の方。
  • NG: 床への直置き。どうしても床に置く場合は、必ず「すのこ」を敷いて床との間に空気の通り道を確保してください。

布団の寿命を縮める?「圧縮袋」の正しい使い分け基準

「場所がないから」と何でも圧縮するのは危険です。素材とスペックによって明確な基準があります。

  • 圧縮OK: 化学繊維(ポリエステル)、綿布団、ダウン率50%以下の安価な羽毛布団。
  • 圧縮NG:高級羽毛布団(ダウン率90%以上)、羊毛布団。
    • 理由: 高品質なダウンボールは繊細です。強く圧縮すると「羽軸」が折れて壊れ、保温力が永久に失われます。どうしても圧縮する場合は、空気を抜きすぎず「厚みが半分になる程度」に留めるのがプロの常識です。

自宅保管が無理なら「外部サービス」が正解

「正しい保管方法はわかったが、物理的にスペースがない」「5万円の布団をカビさせるリスクを避けたい」という場合は、外部サービスを利用しましょう。

① 布団クリーニング保管(リネット、カジタク等)

  • 仕組み: 専門工場で丸洗いした後、そのまま倉庫で預かってもらう。
  • メリット: 汗汚れやダニをリセットできる。衛生面では最強。
  • デメリット: 「1枚あたり」の料金が高額(5,000円〜)。家族分出すと高い。

② 宅配型収納サービス(サマリーポケット等)

  • 仕組み: 専用の布団袋に詰めて宅配便で送る。
  • メリット: 1袋(布団1〜2枚)単位で預けられ、月額数百円と安い。
  • デメリット: クリーニングは別料金。

③ 屋内型トランクルーム(キュラーズ等)

  • 仕組み: 空調完備の部屋を借りて、自分で運び込む。
  • メリット: 布団だけでなく、扇風機やストーブ、雛人形などの「かさばるモノ」もまとめて入る。
  • デメリット: 自分で運搬が必要。

【料金比較】布団を安く預けるなら?枚数別の損益分岐点

「どれが一番安いのか?」は預ける枚数と、他に預けるモノがあるかで決まります。

パターンA:一人暮らし(掛け布団1枚+毛布)

  • クリーニング保管: 約10,000円〜(保管料込みパック)
  • 宅配型収納: 月額550円×6ヶ月 = 3,300円
  • 結論: 洗いたいならクリーニング、ただ預けるだけなら「宅配型収納」が最安。

パターンB:4人家族(冬布団4枚+毛布4枚)

  • クリーニング保管: 4枚パック×2セット = 約30,000円〜40,000円(※高い)
  • 宅配型収納: 布団プラン×3袋 = 月額1,800円×6ヶ月 = 10,800円
  • 結論: クリーニング店に出すより、「宅配型」の方が圧倒的に安い。

パターンC:布団一式 + こたつ + ストーブ + 雛人形

  • 宅配型収納: 箱数が多くなりすぎて管理が面倒。
  • 屋内型トランクルーム(1畳): 月額8,000円〜10,000円
  • 結論: 家電や季節用品もまとめて家から追い出せるため、トータルの収納コストとしては「屋内型トランクルーム」が最強のコスパになる。

目的別・布団保管におすすめのサービス決定版

料金と品質のバランスから、失敗しない鉄板サービスを紹介します。

【コスパ最強】数枚預けるなら「サマリーポケット」

  • 特徴: 「布団専用プラン」があり、月額550円〜利用可能。
  • おすすめの理由: 寺田倉庫が管理しているため、自宅の押し入れより環境が良い。オプションで布団クリーニングも付けられるため、クリーニング店に出すより安く済むケースが多い。

【大量保管】家電もセットなら「キュラーズ」

  • 特徴: ビル型で空調・湿度管理が完璧。駐車場完備。
  • おすすめの理由: 押し入れ1つ分の中身がまるごと入る。初期費用がかからないため、冬の間だけ、夏の間だけといった「半年利用」でも損をしない。

【衛生重視】高級布団なら「カジタク(イオングループ)」

  • 特徴: 布団丸洗いの品質が高い。
  • おすすめの理由: 長年洗っていない布団や、アレルギー対策を徹底したい場合に。保管料は9ヶ月無料などのパック料金になっていることが多い。

まとめ:正しい保管で布団の寿命を延ばそう

布団の保管において最も重要なのは、「湿気対策」「スペースの確保」です。

  1. 自宅で保管するなら: 完全乾燥と放熱を行い、ダウン率に合わせて圧縮を避ける。
  2. 場所がないなら: 無理に詰め込まず、月額数百円の外部サービスへ。

無理な圧縮や直置きは、布団の寿命を縮め、結果的に「買い替え」という高いコストを支払うことになります。現在の収納状況に合わせて、最適な方法を選んでください。

布団の保管方法に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 布団乾燥機は収納する前にも使っていいですか?

推奨されます。 天日干しだけでは取り切れない内部の湿気を飛ばし、高熱でダニを死滅させる効果があります。ただし、使用後は必ず熱を冷ましてからケースに入れてください。熱を持ったまましまうと結露の原因になります。

Q2. 圧縮袋を使うとダニは死滅しますか?

死滅しません。 圧縮袋は酸素を遮断しますが、ダニは低酸素状態でも長時間生存できます。また、カビ菌も死滅しません。圧縮する前に、必ず洗濯や乾燥機でダニ対策を行ってください。

Q3. トランクルームに布団を入れる時も圧縮袋は必要ですか?

不要です(推奨しません)。 トランクルームを利用するメリットは「スペースに余裕があること」です。羽毛を痛める圧縮袋は使わず、通気性の良い「不織布の布団ケース」に入れて、ふっくらした状態で保管するのがベストです。

Q4. 屋外コンテナに布団を保管しても大丈夫ですか?

絶対にやめてください。 屋外コンテナは湿度調整ができず、結露が発生しやすい環境です。布製品である布団は湿気を猛烈に吸い込み、確実にカビだらけになります。ダニも爆発的に繁殖するため、布団の保管は必ず「空調完備の屋内型」を選んでください。

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