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家具・家電の保管場所がない時の解決策。トランクルームの料金相場と活用法

引越し、リフォーム、同棲解消、あるいは実家への帰省。「愛着のある家具や家電を捨てたくないが、新居には物理的に入らない」という悩みは深刻です。

実は、トランクルーム利用者の約40%が、利用目的の第1位「家具・家電の保管」を挙げています(LIFULL HOME'S調査)。 一時的な退避場所として、外部スペースを活用するのは一般的な選択肢です。

しかし、預け先を間違えると、木製家具は湿気で歪み、冷蔵庫は内部がカビだらけになります。 この記事では、家財を物理的な劣化から守るための「正しい保管環境」と、目的別の「サービス比較」、そして契約前に必ず確認すべき「注意事項」を解説します。

家具・家電を劣化させるNG保管場所と物理的リスク

「場所がないから」といって、安易に環境の悪い場所を選ぶと、預けた家財がゴミに変わります。特に注意すべきは「温度」と「湿度」による物理的な劣化です。

① 屋外型コンテナ(夏場50度・湿度80%)

木製家具・革製品・家電には絶対にNGです。

安さは魅力ですが、断熱材のないコンテナ内は外気の影響を直接受けます。

  • 木製家具(タンス・テーブル): 激しい温度変化と湿気により、木材が膨張・収縮を繰り返し、「割れ」や「引き出しが開かない(歪み)」が発生します。
  • 家電(冷蔵庫・洗濯機): 基盤が結露でショートするか、ゴムパッキンがカビてドロドロになります。

② 適切な環境は「屋内型トランクルーム」一択

家具メーカーや美術館が保管庫の空調を徹底しているように、家具を守るには「定温・定湿」が必須条件です。

空調完備の屋内型トランクルームなら、自宅のリビングと同じ環境を維持できるため、数年単位で預けても資産価値を損ないません。

家具保管サービス3選!状況別の使い分け

「トランクルーム」以外にも選択肢はあります。自分の状況に合わせて、最適なサービスを選んでください。

① 屋内型トランクルーム(メインの解決策)

  • 対象: 捨てられない家具がある、長期保管したい、自由に出し入れしたい人。
  • 結論: 家具保管の王道です。24時間365日、自分のクローゼットのように使えます。

② 引越し業者の「荷物預かり」(日通など)

  • 対象: リフォームや建て替えの間だけ(1ヶ月〜半年)預けたい人。
  • 結論: 運搬と保管がセットになっているため楽ですが、期間中は荷物を一切取り出せません。「一度預けたら、新居ができるまで出さない」という場合に限りおすすめです。

③ 宅配型収納(サマリーポケット・ラージ等)

  • 対象: 家具そのものではなく、押し入れの中身を減らしたい人。
  • 活用術(裏技): 大型家具は宅配型に入りません。しかし、押し入れを占拠している「布団」や「季節外の服」を宅配型(月額数百円)で追い出し、空いた押し入れに家具を収納するのが、最も低コストな解決策です。

【結論】家具を守るなら「屋内型トランクルーム」が最適

上記の通り、引越し業者は「出し入れ不可」、宅配型は「家具不可」という制約があります。

そのため、大切な家具を好きな期間預けられ、カビからも守れる「屋内型トランクルーム」が唯一の現実的な選択肢となります。

では、屋内型の中でどの業者が家具保管に優れているのか、大手3社を比較します。

家具保管に最適なのはどこ?屋内型トランクルーム大手3社徹底比較

家具や家電を預ける場合、「広さ」だけでなく「搬入のしやすさ」や「空調の質」「初期費用」が重要になります。

家具保管に対応できる屋内型トランクルームの大手3社(キュラーズ、ハローストレージ、加瀬のレンタルボックス)を比較しました。

【2025年最新】家具保管向けトランクルーム比較表

特徴① キュラーズ(Quraz)② ハローストレージ(Hello Storage)③ 加瀬のレンタルボックス(Kase)
比較軸【品質・環境】
オリコン満足度No.1
【拠点数・標準】
物件数No.1
【価格・コスパ】
格安トランクルーム
空調管理◎ 湿度・温度管理
(カビ最強対策)
○ 温度管理
(エアコン完備)
△ 物件による
(要確認)
初期費用0円
(セキュリティカード代のみ)
使用料の2〜3ヶ月分
(※CPで無料の場合あり)
使用料の1ヶ月分
(※ネット申込なら割引)
搬入設備◎ 非常に良い
無料P・台車あり
スタッフ常駐
○ 良い
無料P・台車あり
無人管理
△ 普通
台車がない物件もある
無人管理
運搬サポート無料シャトルあり
(※対象店舗・初回限定)
なしなし
向いている人高級家具・長期保管
絶対にカビさせたくない人
近場で探したい人
一般的な家具・家電
とにかく安く借りたい人
耐久性のある家具

① キュラーズ(Quraz):品質と環境の最高峰

「絶対にカビさせたくない」「高級な革ソファや桐タンスがある」という場合に選ぶべきサービスです。

  • メリット: 業界で唯一、全店舗で「湿度管理」を徹底しています。初期費用(敷金・礼金・事務手数料)が一切かからないため、半年未満の中期利用でも総額が抑えられます。一部店舗では「無料シャトルバス(運搬)」が使えます。
  • デメリット: 月額料金は他社よりやや高めです。都心部に集中しており、地方には店舗がありません。

② ハローストレージ(屋内型):圧倒的な拠点数

「家の近くで探したい」という場合に最適です。業界最大手で、全国に物件があります。

  • メリット: 圧倒的な物件数で、自宅から車で10分圏内に見つかる可能性が高いです。屋内型であればエアコン(温度管理)が完備されており、一般的な家具保管の基準はクリアしています。
  • デメリット: 初期費用がかかります(キャンペーン適用外の場合)。湿度の厳密なコントロールはキュラーズに劣ります。

③ 加瀬のレンタルボックス:圧倒的な低価格

「とにかく安く済ませたい」「スチールラックやプラスチック製品が中心」という場合に最適です。

  • メリット: 月額料金が他社と比較して安価です。ネット申し込みなら最短10分で利用開始できるスピード感も強みです。
  • デメリット: 店舗によっては空調設備が簡易的(換気扇のみ等)な場合や、台車が常備されていない場合があります。内覧時に必ず設備のチェックが必要です。

トランクルームを使うメリット・デメリット

「料金」以外の側面から、利用する価値を冷静に判断します。

メリット:圧倒的な「居住空間」の確保

  • 生活の質が向上: 6畳の部屋にダブルベッドとタンスがあると生活動線はギリギリですが、これらを預けるだけで部屋は広くなり、ストレスが激減します。
  • 資産価値の維持: 湿度管理された空間に置くことで、カビや虫食いを防ぎ、将来メルカリで売る際や、広い家に引っ越した際も綺麗な状態で使えます。

デメリット:運搬とコストの負担

  • 運搬の手間: 引越し業者とは異なり、トランクルームは「部屋を貸すだけ」です。重い冷蔵庫やソファを部屋から出し、車に積み、倉庫へ入れる作業は自分(または手配した赤帽など)で行う必要があります。
  • 固定費: 毎月1万〜2万円のランニングコストがかかり続けます。

契約前に確認必須!家具保管の3つの注意事項

トランクルーム契約後に「入らない!」「補償されない!」と後悔しないためのチェックポイントです。

① 「搬入経路」のサイズ計測は命綱

「部屋の広さ(2畳)」だけで契約するのは危険です。

  • エレベーターの奥行き: ソファやベッドマットを立てて入れられるか?
  • 廊下の曲がり角(クランク): 長いタンスが回れるか?
  • ドアの間口: 引っかからずに入るか?これらを事前にメジャーで計測しないと、当日になって「入らない」という最悪の事態になります。

② 空調設備の「質」を確認する

単に「屋内型」といっても、ピンキリです。

  • ベスト: 「湿度管理」まで行っている(キュラーズなど)。
  • ベター: エアコンで温度管理のみ行っている。
  • 注意: 単なる「換気扇(サーキュレーター)」のみ。これは外気と湿度が変わらないため、家具保管には不向きです。

③ 火災・盗難保険の補償限度額

多くのトランクルームには保険が付帯していますが、限度額は「1室あたり50万円〜100万円」程度が一般的です。

数百万円する高級家具や、ヴィンテージ家電を預ける場合は、限度額を引き上げるオプションが必要か確認してください。

トランクルーム活用術:預ける前の「必須メンテナンス」

ただ放り込むだけではスペースの無駄であり、故障の原因になります。賢く使うための「前準備」です。

冷蔵庫・洗濯機の「水抜き」と「乾燥」

  • 冷蔵庫: 電源を抜いて霜を溶かし、蒸発皿の水を捨てる。その後、扉を開けて最低2日間は乾燥させる。これをやらないと、内部のカビで二度と使えなくなります。
  • 洗濯機: 給水ホースと排水ホースの水抜きを完全に行う。

ベッド・テーブルの「分解(解体)」

そのままの形で預けると、無駄な「空間(空気)」に料金を払うことになります。

可能な限り分解し、板状にして立てて保管することで、必要な広さを「2畳→1.5畳」のようにランクダウンさせ、月額料金を数千円節約できます。

【料金シミュレーション】家賃とトランクルームの費用対効果

「月2万円の保管料」は高いでしょうか? 都内の家賃相場で比較します。

シミュレーション:2畳分の荷物(ダブルベッド+タンス+冷蔵庫)

  • A:広い部屋に引っ越す場合
    • 都内で「2畳(約3.3㎡)」広い部屋を借りると、家賃相場は月30,000円〜50,000円アップします。
    • さらに、敷金・礼金・引越し費用がかかります。
  • B:屋内型トランクルームを借りる場合
    • 保管料:月15,000円〜20,000円
    • 結論: 無理に広い部屋を借りるより、外部に倉庫を持った方が、毎月の固定費は圧倒的に安く済みます。

まとめ:場所がないなら「外部」に出すのが経済的

家具は「資産」です。場所がないからといって屋外に放置したり、無理に積み上げて生活スペースを圧迫するのは、資産と生活の質の両方を損ないます。

  • 高級家具や長期保管なら: 「キュラーズ」(湿度管理◎・初期費用安)
  • コスパと近さで選ぶなら: 「ハローストレージ」(店舗数◎)
  • とにかく安く済ませるなら: 「加瀬のレンタルボックス」(価格◎)

「家賃」と「保管料」を天秤にかけ、賢くスペースを確保してください。

家具・家電の保管に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 冷蔵庫を保管中、電源はどうすればいいですか?

電源は入れられません。

トランクルームにはコンセントがない(または使用禁止)場合がほとんどです。そのため、事前の「完全乾燥」と、臭いこもりを防ぐための「扉の開放(少し隙間を開けてテープで止める)」が重要になります。

Q2. 運搬手段がない場合はどうすればいいですか?

「運搬サービス付き」を選ぶか、レンタカーを手配してください。

「キュラーズ」の無料シャトル(一部店舗)や、「エアトランク」のような配送型のサービスがあります。自分で運ぶ場合は、ハイエースなどのレンタカーか、赤帽を手配するのが一般的です。

Q3. トランクルームに家具が入らないことはありますか?

あります(エレベーターやドアのサイズ)。

部屋の広さ(畳数)だけでなく、「搬入口の間口」「エレベーターの奥行き」「廊下の曲がり角」を通れるか、事前の内覧でメジャーを持って確認することが必須です。特に分解できないソファやマットレスは注意してください。

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